癌と壮絶に闘った女子砲丸投げ選手

　森　千夏　Chinatsu　Mori　

1980年５月20日東京都生まれる。
169㎝　88kg。清新二中で砲丸投げを始め、３年生のときに全日中で３位。その後、東京高校に進み、１年生で国体少年Ｂに優勝。２年生でインターハイ６位、３年で１位。99年国士舘大学に入学すると１年生で15m07を記録、２年生の春には16ｍ43の日本記録を樹立。４年生の11月の浜松中日カーニバルでは17m39と、日本選手で初の17ｍを突破する。2003年に実業団のスズキに入り、第一人者として活躍、日本記録を９度も更新する。

　2004年に日本女子初の18メートル台となる、18M22の日本記録をマーク。女子砲丸投げの選手としては40年ぶりのオリンピック出場(アテネ)を果たした。

　同オリンピック直前から腹痛を訴え、予選落ちとなってしまったものの、今から考えればよくそんな状態で15ｍ以上も投てきできたものだとその我慢強さには感心させられます。

　帰国後も、各病院で診察をしてもらったそうですが、なかなか原因が分からず虫垂がんと判明したのはだいぶ経過してからだそうです。

　「壮絶な闘い」と「復帰の夢」

　持ち前の根性と明るさでがんとの壮絶な闘いを日記に書き綴り、次の北京オリンピックに復帰の希望をかけていました。今年に入り自宅療養するなど少しは回復の兆しは見えたものの、遂に夢叶わず、8月9日午前10時36分、26歳という若さでこの世を去りました。今後の活躍が期待されただけにとても残念でたまりません。

　心よりご冥福をお祈りいたします。

　合掌