めぞん一刻の主役と脇役

★一刻館

めぞんワールドの中心をなす建物。これがなければ響子と五代が出会いはなかった。オンボロさは折り紙付きで、管理人の響子の苦労がしのばれる。

（主　役）
☆音無響子

一刻館物語のヒロイン。掃除・洗濯・裁縫万能、着物の着付けもうまく、テニスもこなすスーパーウーマン。亡き夫惣一郎の面影を胸に一刻館管理人の管理人になるが、着任早々異常な住人たちの洗礼を受け、五代と三鷹にはダブル告白されて、否応なしに変化を迫られます。仕事は器用にこなしても、五代との関係はとことん不器用。それでも周りの人に温かく見守られながら、少しずつ彼に心を開いていく。

☆五代裕作

ネクラで、ドジで、勉強もスポーツもダメ、おまけに金もなく、しがない浪人生の分際で高嶺の花に恋をしてしまった悲劇の主人公。それでも持ち前の気楽さで果敢に響子にアタックを繰り返す。響子には長いこと「弟みたい」と思われていましたが、就職浪人をしている間に人生などを考えて、いつの間にか響子を受けとめられるだけの広い心を身につけていた。

（脇　役）

★三鷹　瞬

あらゆる面で五代の対極にいる男性。ハンサムで背が高く、お金持ちでスポーツ万能のプレイボーイ。好きな女性を口説き落とすことと、恋敵をけ落とすためには手段を選ばない男。男性読者の人気はさっぱりですが、九条明日菜の妊娠騒ぎが起こったとき、勘違いだったとはいえ、いさぎよく責任をとったあの態度は立派。そして、響子への想いをきっぱり断ちきって、幸せな家庭を築きました。

★七尾こずえ

とにかく、自分の気持ちに素直なのが魅力のキャラクター。人の気持ちを斟酌するとか、そういうことは彼女に似合いません。そんな彼女に振り回される周囲の人たちも、彼女を嫌いにはなりません。常に明るく、はつらつと生きている女性。最後まで、五代と響子の関係に気付くことはありませんでした。

★八神いぶき

バイタリティーあふれる女子高生。恐れることを知らない若さは魅力ですが、時に危険でもある。一刻館への泊まり込み、ろう城、家庭教師作戦。彼女のパワーの前では、大人であることなど何の意味も持ちません。それだけ熱心だったのに、五代との関係は最後に自然消滅。

★九条明日菜

絵に描いたような箱入りお嬢様。触れれば消えてしまいそうな、はかなげな女性。世間を知らぬまま、屋敷の奥で犬とたわむれる毎日。しかしこのお嬢様、見かけによらずしぶとい。響子の後を付け回すわ、三鷹のテニススクールに入るは、とどめに三鷹のマンションに一泊するわ。三鷹はとうとう明日菜から逃れられなかった。